噛みしめで歯を失わないために
今週に入り何十年ぶりかの寒波の到来で、今週から急激に冷え込んでいます。風邪をひかれている方も多いのではないでしょうか?
私の医院の患者さんもご家族やご自身が風邪(インフルエンザを含む)をひかれてキャンセルされる方が凄く多いです。先週が暖かかっただけにこの気温で体調をくずした方が増えているのではと思います。
風邪は万病のもとです。私自身も風邪をひかないようにうがい、手洗い鼻洗いの3つを毎日出来るだけ行うようにしています。
ところで私の医院は歯周病治療にも力をいれています。お蔭さまで歯のお掃除で定期的に来院してくださる患者さんが大変多く、土曜日や平日の18時以降は特に混んでいて3か月先でしか約束を取れない時もあります。
歯のお掃除にはかかる時間は1回約1時間です。内容は歯茎の検査、歯石取りだけでなく、歯茎の時間的状況変化を診ていくために口の中の写真を撮ったり、顕微鏡で歯の汚れの中にいる菌叢を見たり、噛みしめがあって状態が悪くはなっていないか又前回来院日から今日までの状況を伺ったり、虫歯がないかを先生に診てもらいます。
菌叢が悪い人は説明して対応したり、噛みしめがある人は説明して状況を確認させていただいて噛み筋肉をゆるめたりもします。その内容は人によって、その時の状態によって行っている内容が違いますが一般的に歯のお掃除にかかる時間(30分だと言われています。)時間より長く取らせていただいているのですが60分があっという間に過ぎてしまうのです。
口の中のお写真も撮らせていただいているお蔭で状態や時間変化に気づきやすく、説明もしっかりできるのでありがたいなあと感じています。
寒くなると噛みしめが強くなる方が本当に多いです。ご自身でも判断できる状態としては、歯茎に押し下げられたような跡ができていたり、歯茎にコブのような硬いものがあったり、口の中の頬に口のところまで続く横線が入っていたりもします。一度鏡で見てみください。
噛みしめている時間が長かったり、強すぎたりすると歯周病と同じように歯茎が炎症をおこし、歯茎の隙間が深くなったり、歯が浮いて噛めなくなったり、ひどい人になると歯茎が膿んで腫れます。
歯もだんだんと弱り欠けたり詰め物が取れたり、歯にヒビが入ったり、最悪歯が割れたり、折れたりします。
こうなってしまうと、殆どは歯がもう使えませんので歯を抜くしかないのです。そのままにしたくても痛みがでて抜く事を選択されています。噛みしめで歯を失わないためにはこの5つのステップ、3つの知ると2つの行動が必要です。
1 自分が噛みしめをしているのか、いないのかを知ること
2 いつ、どんな時にしているのかを気にかけて知ること
3 舌の筋肉や口の周囲の筋肉が落ちていないかを確認して状態を知る
4 あいうべ体操などのトレーニングをして筋肉をつける。
5 舌を上に挙げて唇を合わせた時に口角の位置(ちょうど口の半分の位置)で合わせて閉じる。
下唇で上唇を押し上げないで閉じているかが大切です。下唇が押し上げて口角より鼻に近づくと、上下の歯を合わせてしまいます。
私の噛みしめ歴は長く14年以上にもなり歯が揺れるほどでした。首や肩、ひどい時は片頭痛に悩まされていて顎関節症にもなっていました。
私は今やっと5つのステップの5段階目に入っています。
ここまできたお蔭でこの寒さでも首、肩、片頭痛だけでなく、顎関節症に悩まされる事は激減しました。先日私の医院の衛生士に歯の揺れを確認してもらったところ揺れも殆ど治まってきていました。
医学は日進月歩です。これからも勉強を進めて、一人でも多くの人の健康に役立てるようにしていきたいと思っています。